標高 × 墳丘径
墳丘の規模を標高に対してプロット。低〜中標高(E群・C群)に大型墳が集まり、120m超の高所尾根(I・J群)に小型墳が並ぶ「負の相関」が見えるかを検証します。朱の星は複室石室。残存状態で絞り込むと、本来の傾向がより明瞭になります。
マーカー色=支群。星=複室両袖。横軸下端ほど平野に近い。
標高 × 玄室面積(現状推定)
玄室面積は「奥壁幅 × 平均側壁長」から概算した現状値です。複室石室(後室で計測)が面積でも上位に来るか、規模のヒエラルキーを見ます。E-2 が最大(約 5.9㎡)で本文の「群中最大」記述と整合します。
面積が記録できた墳のみ。残存不良墳は埋没のため過小、または計測不能で除外。
石室開口方位(ローズダイアグラム)
開口方位を方位角に変換し、30°区分で集計した円形度数分布です。南〜南東への強い集中が、方位観念というより斜面の傾く方向(谷側=下方)に規定されている可能性を示します。例外は A-1(西) と J-2(東) の2基のみ。
N=方位の記録がある墳。概略・推測方位を含む(表のフラグ参照)。
構造化データ一覧
列見出しをタップで並べ替え。朱の行=複室両袖。GIS 取り込み用の CSV は上のボタンから書き出せます。
| ID | 支群 | 状況 | 墳形 | 標高m | 墳丘径m | 石室形式 | 開口 | 方位° | 玄室㎡ | 残存 | 備考 |
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読み取りの要点
標高と規模の負の相関
低〜中標高(E群≈51〜54m、C群≈63〜66m、D群中核≈84〜90m)に大型墳が集中し、120m超の I・J群は墳丘5〜8mの小型に収れん。「平野寄りに中核・大型、高所尾根に末端・小型」という空間ヒエラルキーの仮説と整合します。
複室=階層性のシグナル
複室両袖は D-1・D-5・E-2 の3基のみで、いずれも各支群で最大級。複室化と大型化が連動し、各集団の「リーダー墓」を示す可能性。北部九州で複室が上位層に偏る傾向とも符合します。
開口方位は地形が規定
南〜南東への集中は、報告が随所で記す「等高線に直交/斜交」と対応し、構築・排水・進入の地形的合理性が効いた結果と読めます。例外の A-1(西)・J-2(東)は立地斜面の向きで説明できるかが論点。
支群=親族単位の可能性
10支群が尾根・谷で明瞭に分節。D群(13基)は上部1〜11/下部12〜13に細分でき、累代の同族追葬墓という群集墳の典型解釈に乗ります。A・F・H・I の単独墳は分家・末端か。
データ品質フラグ(DB化の要注意点)
デジタル化/GIS 化の際に明示すべき不整合・誤記の疑いです。各レコードの flags 列に対応します。
D-13現床面標高「86.70m」は隣接最下部 D-12(69m)と矛盾。66.70m前後の誤記疑い(本データは暫定で67mを採用)。E-3主軸「S-54°W」記載に対し本文は「ほぼ南開口」と記す方位の不一致。本データは主軸方位(234°)を採用しフラグ。G-1〜G-10福岡市文化財地図では瀬戸口古墳群A群。「鳥越」に含めるか否かで母数が約39→約29に変わる。集計時は境界条件を明示。D-4 > D-1D-1を「群中最高所」と記すが数値上は D-4(95m) > D-1(90m)。1977/1985の編纂時期差による相対表現。- 多くの寸法は「現状値」=埋没後の最小値。標高×規模の分析は残存状態で層別してから解釈すべき(上の「残存良好のみ」フィルタ参照)。
J-2墳裾でスラグ3個を表採。鉄滓なら後世混入か周辺生産活動の痕跡か、要検討(年代決定材料ではない)。