Aburayama Kofun Lab — Data Edition

鳥越古墳群 データ分析

標高からみる墳丘規模・玄室面積・石室開口方位

出典:油山古墳研究室『鳥越古墳群 現状調査報告書』(2023)/福岡大学歴史研究部考古学班 (1977・1985)・福岡市教育委員会 (1973・1985)。数値は本文記載の「現状値」を抽出・構造化したもので、土砂埋没・石抜きにより本来規模より小さく出ている点に留意。

記録レコード(B群は3基を1行集約)
現存/消滅
42–123m
標高レンジ(最低F-1〜最高I/J)
3
複室両袖石室(上位被葬者の可能性)
01 — ELEVATION × MOUND SIZE

標高 × 墳丘径

墳丘の規模を標高に対してプロット。低〜中標高(E群・C群)に大型墳が集まり、120m超の高所尾根(I・J群)に小型墳が並ぶ「負の相関」が見えるかを検証します。朱の星は複室石室。残存状態で絞り込むと、本来の傾向がより明瞭になります。

表示:

マーカー色=支群。星=複室両袖。横軸下端ほど平野に近い。

02 — ELEVATION × CHAMBER AREA

標高 × 玄室面積(現状推定)

玄室面積は「奥壁幅 × 平均側壁長」から概算した現状値です。複室石室(後室で計測)が面積でも上位に来るか、規模のヒエラルキーを見ます。E-2 が最大(約 5.9㎡)で本文の「群中最大」記述と整合します。

面積が記録できた墳のみ。残存不良墳は埋没のため過小、または計測不能で除外。

03 — CHAMBER ORIENTATION

石室開口方位(ローズダイアグラム)

開口方位を方位角に変換し、30°区分で集計した円形度数分布です。南〜南東への強い集中が、方位観念というより斜面の傾く方向(谷側=下方)に規定されている可能性を示します。例外は A-1(西)J-2(東) の2基のみ。

N=方位の記録がある墳。概略・推測方位を含む(表のフラグ参照)。

04 — DATASET

構造化データ一覧

列見出しをタップで並べ替え。朱の行=複室両袖。GIS 取り込み用の CSV は上のボタンから書き出せます。

ID支群状況 墳形標高m 墳丘径m石室形式 開口方位° 玄室㎡残存 備考
05 — READINGS

読み取りの要点

標高と規模の負の相関

低〜中標高(E群≈51〜54m、C群≈63〜66m、D群中核≈84〜90m)に大型墳が集中し、120m超の I・J群は墳丘5〜8mの小型に収れん。「平野寄りに中核・大型、高所尾根に末端・小型」という空間ヒエラルキーの仮説と整合します。

複室=階層性のシグナル

複室両袖は D-1・D-5・E-2 の3基のみで、いずれも各支群で最大級。複室化と大型化が連動し、各集団の「リーダー墓」を示す可能性。北部九州で複室が上位層に偏る傾向とも符合します。

開口方位は地形が規定

南〜南東への集中は、報告が随所で記す「等高線に直交/斜交」と対応し、構築・排水・進入の地形的合理性が効いた結果と読めます。例外の A-1(西)・J-2(東)は立地斜面の向きで説明できるかが論点。

支群=親族単位の可能性

10支群が尾根・谷で明瞭に分節。D群(13基)は上部1〜11/下部12〜13に細分でき、累代の同族追葬墓という群集墳の典型解釈に乗ります。A・F・H・I の単独墳は分家・末端か。

06 — DATA QUALITY

データ品質フラグ(DB化の要注意点)

デジタル化/GIS 化の際に明示すべき不整合・誤記の疑いです。各レコードの flags 列に対応します。